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渓谷

渓谷

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釜川
   
 沢登り
岩魚の踊る流れを越え、遙かな谷の源流帯にこそ
わたしの求めるロマンがあると信じて、
だからこそ
ひたすら足を濡らして谷を歩き続けたいのです。 
泳ぐための沢登りではありません、
攀じるための沢登りでもありません。
沢登りは源流帯を見極め稜線に立つ時、
それを織りなす山と自然の中でこそ
喜びを持ち続ける事の出来る者達の
彷徨の山登りです。

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秋色の沢上谷

渓谷
猛暑の中で、
渓谷は爽やかな風を育み、
流れる水は常に鮮烈である。
壮大な岩盤の谷間を
さらさらと踊る流れは、
人の足元でたわむれ、
渓谷の豊かさは源流を目指して歩く者を魅了する。
美しきものを語り、
その時の思いに流されて感動する素直さが、
人の豊かさの証なのかも知れない。
わたしに豊かさがある限り、
自然の中で安らいでゆける。
渓谷は水の流れる舞台を作り、
人はその舞台の中で見果てぬ夢を見る。

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吾妻連峰大滝沢 滑を行く

 沢水
身近に見る川の水が、枯れることなく流れてゆく。枯れる事のない水に
不思議を感じることが無いのは、いつも橋やコンクリートの堤防から眺
めているからだ。源流に足を濡らし、大地から染み出た一筋の水に触れ
る時、流れ続けて絶えない水とそれを育む森の偉大さに気付くのである。
ひたひたと流れる水の感触を確かめながら歩いてゆけば、自然は限りな
く近くに漂ってくる。空気は澄んで、風は季節を吹き、谷には光が舞う。
 「今、こうしているたった今もあの谷にはあのときと同じ音をたてて水が
流れ続けているのでしょうか」
先日沢登りを共にした人からこんな手紙が届きました。

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釜川の大釜に立つ

沢の季節に
残雪の山を巡り歩いているうちに、
いつの間にか気が付いたら沢登りの
季節になってしまった。
渓流シューズを履いて久しぶりに
水の流れに入るとある種の感覚が蘇ってくる。
それは、冬の寒さから身を守ろう
と構えていた自分が和らぎ、
水の冷たさに身を任せ、
素肌であるがままの自然を掴んでいるような感覚である。
沢床の石や砂や苔を踏みながら、
又再び一巡りした季節の中にいる自分を嬉しく思う。
それは何よりも季節を共に過ごせた仲間がいた喜びでもある。
力強いパートナーの声が谷間に響いて、
今年も又新たな気持ちでロマン溢れる源流への旅に、
発つ。

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大滝沢二条の滝



我が渓
源流を目指し、車を降りた林道から、本流に下降すべく急な藪の斜面を下る。谷に落ち込む支尾根を慎重に辿ると眼下に褐色の岩壁に囲まれた険悪なゴルジュの食い込みが臨めた。えぐられた谷底に深い釜と滝が行く手を塞ぎ、とても降り立てる所ではなかった。再び尾根に戻り、上流の地形図のゆるみを目指して再び本流への下降を試みる。藪をかき分け、地形図では読みとれない小沢を辿ると、突然水流が宙に消えた。身を乗り出してのぞき込むと水流は足元から落ち込んだ岩壁を踊るように落ちていった。左右見渡す限りU字状の谷を凹凸のない褐色の岩壁が囲み、人を拒んでいた。最上流で降り立った沢筋は何事もなかったように穏やかで、山毛欅に囲まれて凍えるほどの水流に岩魚が踊っていた。あの岩壁に囲まれた谷筋に降り立ち、谷からの空を眺めたい。ことさら困難を求めるのではない、ガイドブックで探した憧れの渓ではない、私の原点の沢が有るような気がした。 













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プロフィール

bunatoiwana69

Author:bunatoiwana69
山のソナタ集へようこそ!
19の時から山登りを始めて現在75歳。
東京の京橋に生まれ、都会に育ちながらも山の自然に憧れる。
脇目も振らず、馬鹿のひとつ覚えで山登り一筋。
時々の風景と想いを切り取りブログにしました。

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