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西上州


ああ
この狭く暗い
かたくなな部屋から、
人間のつながりの呼び声が
遠くこの耳を離れて去るまで
あの広い空の下を
叫びつつけて走りたい。
 雅

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立岩と大上集落

 何処までも続く青空、
そんな乾いて澄み渡った青空で迎えてくれるのは冬枯れの西上州。
落ち葉がカサカサと鳴り、風の吹く尾根筋では谷川連峰を越えてきた冬が
空風となって木々をざわつかせる。
しかし又、陽のあたる風を避けた岩陰には眠気を誘う暖かさがある。
岩峰の上を遙かな日々が風となって吹き抜けてゆく。
気持ちの片隅にいつもあった心象風景としての佇まいがここでは決して過去のものではない。
淡い色の尾根が重なり合い、うねるように裾野の谷あいに落ちてゆく。
谷あいには同じような色づきで山と季節を共にする里がある。
浅間山が見える、妙義の奇峰群がある。
ひとつの印象で埋め尽くされる景色が西上州であることを語る。

 落ち葉に埋もれた冬枯れの山道を辿ると頭上に岩峰が覆い被さる。
それは透明な青空に白く輝いて開放的な明るさに満ちている。
だがどうしても西上州の岩山を語る時、
その麓にひっそりとある山里を思わずにはいられない。
その軒先のひとつひとつを歩くことがわたしのかけがえのない旅である。

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下底瀬の集落と鷹巣山


葉の落ちた柿の木に朱色の実だけが鮮やかに輝き、
大根がぶら下がった軒先に大切な風景を見る。
軒先の向こうには必ず岩山がひとつふたつ。
穂高や谷川の岩壁に引けを取らない圧倒的な壁もある。
だがそれはあくまでも木の間から覗き見る里の岩山である。
山には立派な登山道などない、いや、踏み跡で充分な山々。
晩秋の頃、自分の所在を求めて西上州に通う。
その時期、そこでしか味わえない出会いと喜びを探しに。

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黒滝山不動寺と鹿岳を望む 
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九十九谷馬の背
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九十九谷 ドーム滝

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九十九谷最奥のルンゼ群
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bunatoiwana69

Author:bunatoiwana69
山のソナタ集へようこそ!
19の時から山登りを始めて現在75歳。
東京の京橋に生まれ、都会に育ちながらも山の自然に憧れる。
脇目も振らず、馬鹿のひとつ覚えで山登り一筋。
時々の風景と想いを切り取りブログにしました。

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