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老後の山で

老後の山で
老後の山で (1)

 登りの角度に合わせて、体が揺れる、
テルモスの湯が背中でポチャッと響く。
残して来てしまったものが何かも分らずに、
私は見上げるほどの急な山道を必至に登っています。
地図の破線を追いながら
きっとフィルム写真の遠い昔の自分を探しているんです。


老後の山で (2)


初めて通る道で、
初めて見る風景になじめないのは、
ただ通りすがるだけの自分が分っているから。
全ての土地は誰かのふるさと、
最初は誰でも赤の他人、
初めて通る道できっと誰かが待っていてくれる、
呼びかけることの出来ない情けない自分が居る。
偶然の出会いはいつも突然やってくる。
次はどんな人に出会えるだろう、
山はそれを繋ぐ大切な仲間。


老後の山で (3)

旅先の風景はどうでも良い、
いつまでも忘れないのは山道の佇まい、
風景は重要な要素だけれど、
それで裏切られることもない。
映像では決して持って帰れない空気感、
五感で受け取る幸福感。
時を忘れて佇んでしまう空間。
辿り着いた尾根の小さな広場で
石に腰掛け風を待っている。


老後の山で (4)

地平に広がるきらめく海岸線を眺めていると
聞こえるはずのない波の音が打ち寄せてくる。
全てが気持ちの中にある。
老後の身でありながら
生まれて初めての経験を山が沢山くれる、
だから山が好き。    
                                 
                                                            雨の古処山にて

老後の山で (5)
                                                       
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プロフィール

bunatoiwana69

Author:bunatoiwana69
山のソナタ集へようこそ!
19の時から山登りを始めて現在75歳。
東京の京橋に生まれ、都会に育ちながらも山の自然に憧れる。
脇目も振らず、馬鹿のひとつ覚えで山登り一筋。
時々の風景と想いを切り取りブログにしました。

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