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槍ヶ岳への旅路

槍ヶ岳への旅路
写真1

写真2
燕岳より厳冬

ただ高いと言うだけで山には風格と魅力が備わる。
それは日常とはかけ離れた環境と雰囲気に満ちているからだ。
人家が途絶え道さえ途絶えた彼方に憧れを抱くのは夢の世界がそこにあるから。
三千メートルの稜線では風の匂いで感動し、
小さな池の佇まいに自分を映して感慨に耽る。
足元でガスが湧き、眼下に雲を見る。
それが日本アルプスだ。


写真3
山頂にて

写真4
雲湧く槍沢
 
 自分や人を語り尽くせるパートナーに恵まれ、
自分が自然な形で歩ける山旅の中で、
今と言える時を知る。
知識や残像を遥かに超えていた創造力。
自然の中にはあらゆる形がある。
水や風や雪によって創造されたものや
生き物の営みの中で作られた不思議な形。
それは人の創造力を遥かに超えた無駄のない豊かさの証である。
そのひとつひとつが物語の始まりである。


写真5
黒部湖の彼方に

写真6
厳冬

槍ヶ岳への憧れから始まった山登り、
また次の憧れを見つけられた頂きに立ち、
幸せと思える日から不幸を眺めてみれば、
黄昏の雲間の淡い輝きに似て安らかさが一層胸に染みる。
山登りは峰々を超えて歩くもの、
そしていつも憧れを忘れないこと。


写真7
頂へ最後の梯子

写真8
ご来光

日本に槍ヶ岳がなかったら、
日本のアルピニズムは何年遅れただろうか。
私の思いだ。
雨に濡れ、言葉さえ震える寒気に襲われても、
穂先に向かう岩陰に咲くミヤマダイコンソウのように、
ただそこに咲くだけで人に宿る命でありたい。
夏の短い刹那に咲く宿命を悟っているなら今の別れは美しい。


写真9
槍沢登行

写真10
影槍

人は正論だけでは動かないから、
人と交われば軋轢が生まれる。
感動したり悲しんだり、
花は綺麗なもので空は蒼いもの、
水は冷たくて緑は優しいもの。
頭の中ではなく、それを本当に感じたときに言葉にしたい。


写真11
薬師岳から遙かな槍

私にない答えが今日出会う人の中にあるかも知れない。
その旅路、
雨に打たれ風に押し戻されて卑屈になっても、
漂う靄のように水のように流れてゆく。
私の槍ヶ岳はいつもまぶしい、
ただ漠然と手頃な山に登っていた初心の頃、
歩くことが楽しくて、自然も心地よかった。
何よりも気の合った仲間と過ごす時間が喜びであった。
でも本当に登る山が見えなかった。
日本にこんなに凄い山があったのか。
常に天を指さす比類ない造形に胸打たれた。
憧れになった、登った後も憧れは続いた。
指さす彼方にきっと有る優しさに守られて、
話しかけるように歩いて行けた。


写真12
焼岳から槍穂高岳

写真13


風を待とう、待てない自分が悔しくて
迷いながら、遠ざかれば、
浮かぶ景色がある。
槍を眺めて歩いた縦走路に
いつかは戻る、
黄泉の彼方へ続く道。
日々の生活の中でさえ
乾いた地面ではなく
常に遠くを見つめて
夢やロマンを忘れずに豊かな生き方が出来た。
だから山が好き。


写真14
大好きなプロフィール画像

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プロフィール

bunatoiwana69

Author:bunatoiwana69
山のソナタ集へようこそ!
19の時から山登りを始めて現在75歳。
東京の京橋に生まれ、都会に育ちながらも山の自然に憧れる。
脇目も振らず、馬鹿のひとつ覚えで山登り一筋。
時々の風景と想いを切り取りブログにしました。

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