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秋・パート3

秋・パート3

15秋・パート3

もみじを陽に透かして、
 確かめたかったのは命、
  別れの秋こそ華やかに
   彩りの中にある寂しさや



0,秋・パート3小 (10)
駒止湿原の草紅葉




2,秋・パート3小 (14)
木曽御嶽山さいの河原

秋の途中の山
 期待に反して、一日中霧雨の中。
秋雨前線停滞中、
寒さに向かう雨だから梅雨にはない寂しさが交差する
秋の花は紫色に季節を笑い、
山を去る鳥たちは悲しげに言葉少なに飛び交う。
秋高く空蒼し。
雲に流れる人の様は遠ざかり、
吐く息を白く濁らせる。
喜び哀しみ恐れながら楽しんでいる。
ダケカンバの林を通り過ぎた先には岩の道。
この世の限りを歌い、山を歩く者。

秋・パート3 (2)
中小川飛龍の滝

3,秋・パート3小 (4)
田代山にて

秋高く空蒼し、
それもまた言葉の中にある季節。
人は訳もなく高みを目指し見果てぬ夢を見る。
これが愛だ、
なんて言ってしまったらほかの愛は分からない。
山も同じ。
それ以外の全てのものも山であり愛だ。
今どこを歩いている、
それが分からないから秋の途中。
抜けるような青空を視野いっぱいに広がって進んでゆくうろこ雲が郷愁を誘う。
華やぐ輝きがずっと続いたら飽きてしまう、
スーッと消えてゆく花火のように萎れてゆく時があるから、
次の輝きを胸に秘めた秋の途中。

5,秋・パート3小 (3)
八海山

6,秋・パート3小 (9)
秋山郷布岩錦秋

秋の谷にて

灌木に覆われた沢の源頭を這いつくばりながらやり過ごすと、突然湿原に飛び出た。
あたりは錦秋に彩られ、振り返ると我々はまさに色の洪水の中を歩いていた。
我々以外誰もいない空間で全身が潤んでいた。
赤、燈赤、黄、黄緑、深紅・・・
これほどの色彩の中で色にどうして名前が付けられようか、
7,秋・パート3小 (6)
八海山

秋になると紅葉を仰ぎ見るために沢を辿るようになった、
源頭から谷を見渡し、その年の季節の終わりを愛おしむようになった。
沢を上がれば登山道には人の列。
その中で我々しか見なかった湿原の紅葉をみやげに下山する。
山を知る、
そう思うことさえ奢りであることを知る。  

8,秋・パート3小 (7)
鳥甲山にて

9,秋・パート3小 (11)


谷間の秋、越後にて 
谷間に分け入ると急峻な尾根が迫って、
その斜面にはむき出しのスラブが点在する。
ここに滝があれば通過は一筋縄ではいかない。
滝の全ては雪に磨かれて滑り落ちている。
そんな環境であるからこそ見られる風景もある。
大きな樹木はごく限られた尾根のたるみにしか育たない。
斜面の木々は雪の重みに押さえつけられて地を這うように伸びている。
人の手が及ばない谷筋にはそのままの自然が残り四季を繰り返して行く。
育つ木々が限られているから秋には全山が限られた色で染まる。
癒しの空間を求める沢ではないが、
自分の持つ全ての力を出し切れることが、
いつもの生活に癒しを与えてくれる。
秋・パート3 (1)
越後の下山道

花は萎れて実を付け、
葉は色を変えて落ちてゆき、
木々は年輪を刻む。
人だけが漫然と四季を過ごし歳を重ねる。
一年が過ぎてゆく秋の重みを山の中で知る。

10,秋・パート3小 (12)
月山

11,秋・パート3小 (8)
那須姥ヶ平

秋の色
 あたりの秋の気配を感じながらも、ぬかるみを避けながら石伝いに歩いて、
だから下ばかり見ながらの道程でした。
ふと見上げればもう葉の落ちた白いダケカンバの幹とまだみどり色の緑葉樹と赤く染まった紅葉が枝を合わせて空を遮っているのです。
不思議な季節。
昔は日に日に過ぎてゆく季節を当然のように受け入れて、
次の季節に心を躍らせていたのに。
秋は高いところから降りてくる、
そして秋は北の方からやってくる。
歳を追いかけるように、季節を追いかける日々に変わっています。
山の深さに巡り会いながら今まで何を考えてきたのだろうか。
朝陽の眩しさに目を細めて何を見つけてきたのだろう。
づっと愛に包まれて育った、
父も母ももういない、妻も逝ってしまった、
なのにまだづっと愛に包まれている。
果てしない山の連なりを眺めて歩き出したのだから、
凍えたら身を縮め、息が切れたら大きく胸を反らせて、
これからも山を歩いて行きたい。
秋・パート3 (4)
両神山赤岩尾根

 今日はあなたの声が聞きたくて、そっと眠りにつきます。
もう夢でしか会えないあなただから。
広い広い草原に寝転んで雲しか見えない空を眺めていれば、
西陽に照らされて、遠く霞む山の端に優しく美しいあなたの声が聞こえるのです。
時がたつほど余計会いたくなる秋の山道です。   

秋・パート3 (5)
岩稜の彩り
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プロフィール

bunatoiwana69

Author:bunatoiwana69
山のソナタ集へようこそ!
19の時から山登りを始めて現在75歳。
東京の京橋に生まれ、都会に育ちながらも山の自然に憧れる。
脇目も振らず、馬鹿のひとつ覚えで山登り一筋。
時々の風景と想いを切り取りブログにしました。

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