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裏岩手連峰


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三ツ岩岳から連なる裏岩手連峰

微笑んだ白い連峰
 毎年、凍てつく風に打たれながら歩く稜線を、
この日は陽に照らされた雪紋が輝き、煙ぶるような影が一層模様を浮かび上がらせていた。
雪は冷たい空気を包み込み、掴みどころもなく深く、風は重く痛い。
大切にしている山であった。
山を比較せず、天候に流されず、何よりも記録には無縁なゆとりがあった。
圧倒的な岩壁も、堂々たる姿の山もなく、ただなだらかな起伏の連なりが彼方まで続いている。
こんな山に囲まれていたら、人は穏やかになる。
それを物語るような地元の岳人との交流で、自分を大切にする事を学んだ。
人と比較せず、周囲に流されず、
何よりも山での名誉を求めない。
快晴ながら、それでも凍てつく風に目を潤ませ、初めて全容を目にした連峰の白さに、ただ佇んで。         

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裏岩手から臨む岩手山

春の連峰 
 山の中に入るといつもわたしの物語が始まる。
吹き付けるような透明な風の中で木々と一緒に凍えていた白一色の世界が少しづつ揺らいで、
風は様々な物を運び透明度が薄れてゆく。
 いつしか陽差しを追いかけてゆく風になり、季節が流れてゆく。
雪面には人の足跡がいつまでも残るようになり人の訪れを伝えてゆく。
 人は心躍らせる人に思いを馳せて多弁になる。
まだまだ雪満載の峰で仲間の数だけシュプールを描いて幸せになり、ゆとりある気持ちの大切さを教えられる。
 おおらかな山容、広大な斜面、山毛欅の尾根筋、
山間に点在する湯煙。全てが自然体の東北の山で、無限を語れる人となれ。

裏岩手の人々 
過去のことであるが、
5年間毎年決まった日に三ツ岩岳へスキー登山をした。
培ってきた経験や知識では理解できない人々との交流で多くのことを学んだ。
猟師の板には5センチほどの幅でシールが埋め込まれていた、
毎回ゲレンデのパトロールの制服で参加の人が居た。
江戸時代にも遡る津軽藩と南部藩との確執を、
今の事のように、とうとうと語る弘前の人、青森は弘前の漁港だそうだ。
とんきん竹のストックを股に挟んでゲレンデを一直線に滑っていった人。
リーダーと思っていた会長さんが登山口で、後はよろしくと帰って行った。
樹氷が素晴らしかった、
登りでは大きく迂回して避けて通る吹きだまりの大斜面では、
今の幅広の板では感じることのない深く潜った底からの浮遊感を当時の細い板で感じた。
スコップで掘り起こして入り込む避難小屋はいつも安らぎの時をくれた。
景色がどうであったか、雪質がどうであったか、天気がどうであったか、
それはどうでもよい小さな事で、
そんなことで一喜一憂していては、まだ本当のスキーの楽しさが分かっていない。
それ以来私は、山が、どうであったかを心に刻んでいる。
それだけで山スキーの世界が変わった。
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岩手山を望みながらシュプールを描く。

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大松倉山にて

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三ツ石山を臨む

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三石山山頂へ

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プロフィール

bunatoiwana69

Author:bunatoiwana69
山のソナタ集へようこそ!
19の時から山登りを始めて現在75歳。
東京の京橋に生まれ、都会に育ちながらも山の自然に憧れる。
脇目も振らず、馬鹿のひとつ覚えで山登り一筋。
時々の風景と想いを切り取りブログにしました。

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