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山小屋

裏岩手連峰 三ツ石山荘
三石山荘1

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鉄山避難小屋 

山小屋にはそれぞれの匂いがある。
それは鼻で嗅ぐものではなく気持ちで嗅ぐもの。
小屋の扉を開けた途端に見知らぬ世界が広がってゆくような小屋に出会えた時は本当に嬉しい。
 最近の小屋は設備が整いまるでログハウス風のホテルのようだ。
そんな山小屋が登山者を日に日に弱くしている。
だが同じ時期に同じ山へどっと押し寄せる登山者にも責任がある。
都会の生活に次第に近づいてゆく山小屋。
だが山小屋に一番必要なのはその日の山の疲れを癒してくれるゆったりとした雰囲気と安堵感である。
そんな小屋には山を知り尽くしたオヤジがいる。
頑固そうな厳つい顔をしているが登山者の一人一人を見守る眼差しに優しさが溢れている。
 山小屋ではひとり物思いに耽ってはいけない。
ましてやその片隅で自分の世界を作ってはいけない。
小屋の雰囲気に身を任せてその心地よい匂いに酔うことである。
隣組と親しくなり山談議に花を咲かせて自分にはない違った感性で山を問い直すことである。
何よりも悔いのない山登りを自分なりに続けてゆくこと。
その中でこそ山小屋は生きてくる。
元来、山をさまよい歩く者にとって山小屋は必要のないものである。
山小屋がなければ山はもっと静かで冒険的であり野性的である。
他人に頼ることのない山登りこそ、より自然を感じることが出来るものである。
 山が好きでたまらない者が山に小屋を建て住みつき、訪れる者に一夜の宿を提供した。
そんな主人の想いを慕い、山の自然に魅せられた登山者が頻繁に訪れるようになった。
山小屋には同じ想いを寄せる者達の笑いと語らいの声が溢れるようになった。
山小屋のイメージにそんな物語を思い浮かべてみれば、それはそれで自分にはない何かを探る手だてになるのかも知れない。
そんな物語の原点を思わせる山小屋を自分なりに数えられた時、山小屋は山の一部分として同化してゆくのではないか。

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八甲田山仙人岱ヒュッテ 厳冬

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西吾妻小屋

高見石小屋滞在
 冬山の寒い夜に若い頃は良く夢を見た。
小屋のストーブの回りに腰掛けて手をかざしている、
だが暖かさはなく一生懸命薪をくべている。
そして寒さに目が覚める。
暖かさを夢に求めたその小屋は確かに高見石小屋なのである。
学生時代の2月、冬休みを待ちかねて南アルプスに入った、
そんな帰り道に途中下車をして小屋を訪れた。
12月にも来たでしょう、
そんな顔なじみのアルバイトの小屋番の女の子たちと数日を過ごした。
ほかに登山客もなく、
何をすることもなく、
ストーブの回りで本を読んだり、
コーヒーを飲んだり。
ちょっと白駒池まで散策したり。
朝は必ずテラスにやってくるリスを眺めていた。
歳を取ったらこんな風に目的のない時間を過ごせる山登りをしよう。
だが社会人になって50年近く、未だにあくせくとした山登りをしている。
技術も体力も衰えて、ままならない山での日々、
余計に時を惜しむようになり、行く先が分からずにいる。 

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小屋の前で20代の頃に

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訪問者

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東大巓明月荘
  
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プロフィール

bunatoiwana69

Author:bunatoiwana69
山のソナタ集へようこそ!
19の時から山登りを始めて現在75歳。
東京の京橋に生まれ、都会に育ちながらも山の自然に憧れる。
脇目も振らず、馬鹿のひとつ覚えで山登り一筋。
時々の風景と想いを切り取りブログにしました。

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