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山の美学

山の美学

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大滝をよじる

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シュプールは人を表す、心を刻む。

美学
 山登りは安全が第一だから、
身だしなみや衛生観念は二の次である。
風呂に入らずに何日も同じ服で過ごす。
石鹸で手を洗い、歯を磨く。
そんな街の習慣を山に持ち込む事は
自然環境には害になることもある。
だが、山には街にはない美学がある。
歩き方から道具を使いこなす技術まで、
卓越した技には美しさがある。
無様な姿では山とは一体になれない美学がある。
長い経験で養われたスタイルが個性的な雰囲気を漂わせ説得力を生む。
そこには天性の輝きと努力の温かさが感じられる。
山への思いはそんな美学への憧れかも知れない。

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割れ目ゴルジュ

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氷瀑

山はこころ 
若い頃の山は技術が全て、
卓越した技術の美しさに魅せられた。
技術の有無が山での優劣を決め、
行動に重みを加えた。
強靱な体力で道を拓き、
常に余裕の表情で気を配るリーダーには絶対的な信頼を感じた。
山に夢中になることで尊敬できるリーダーにめぐり会えた。
それも歳を重ねるうちに、
技術や体力は次第に衰え、
登れない自分に気づき、
山はこころ、と思うようになった。
堅い岩肌や凍てつく雪面に触れた手は、
いつしか山毛欅の幹の存在感に拠り所を求め、
湧き水を汲み上げ、
その鮮烈な冷たさに生命の息吹きを感じるようになった。
道具に気持ちを通わせ、
体に技をしみ込ませて、
山にこころが備わってくる、
それを忘れてはいけない。 

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懸垂下降

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華麗に 
   

毎月、おおやけに思いつきの拙い文章を書くようになってからもう数十年になる。
短いものでも毎月欠かさず書くのはこれはこれで結構大変だ。
学生の頃は書物を読みあさった、
小説や散文は勿論、紀行文から歴史書、哲学書まで。
何が身に付いたかは私にも分からないが、
書物から与えられた知識や経験談や啓示はもうそれで充分。
社会人になってからは雑誌やガイド本以外は読んだ記憶がない。
暇つぶしの読書、生き方のヒント、
暇な時間など無いし、いつまで迷ったら気が済む。
人を見ていると暇さえ有れば本を読んでいるような気がする。
電車に乗れば立っていてもすぐ本を出して読んでいる。
私はと言えば、ほとんどボーッとしている。
山のことを考えているときは、
そのとき一番新鮮な場面が浮かんでくる。
書物を読むより私にとってはずっと楽しいことだから、
夢中になってボーッとしている。
読むよりは思いを楽しみ、思いを書く、
それが学業を卒業したものの美学。
目を閉じて浮かんでくるものが小説の場面や他人の物語だけだったら、寂しいからな。  

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秋を愛でる

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一ノ倉二ノ沢スラブに
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プロフィール

bunatoiwana69

Author:bunatoiwana69
山のソナタ集へようこそ!
19の時から山登りを始めて現在75歳。
東京の京橋に生まれ、都会に育ちながらも山の自然に憧れる。
脇目も振らず、馬鹿のひとつ覚えで山登り一筋。
時々の風景と想いを切り取りブログにしました。

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