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山毛欅の木

山毛欅の木 南会津の山毛欅の森で  ぶ な 雪の中に山毛欅がすくっと立っている。冷たいけれど、そっと触れてみれば木の優しさが分かる。両手で抱えてみれば何故か安らぎに満ちて、そっと耳を当てれば水の音が聞こえる。鼓動が幹の中で跳ね返りわたしの全身を包む。山毛欅林の中には傷ついたものを癒してくれる魔法がある。大きく手を広げた母なる森の中で、わたしは子供になってスキ...

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二人の縦走路

二人の縦走路なにもなくて、ほっそりと老いて、寂しくも人を語るたそがれに、ふと支えられたあなたの心に寄せて、ただひとつ、愛と名づける。  山では可憐な花を見つめ、視界の山々に魅せられる。きっとそんな時の二人は無言である。言葉のいらない世界は、言葉による隔たりもない。そして、山の中ではいつも仲間と一緒、賑やかで楽しい仲間に囲まれて、時には煩わしいと思うこともあるがその明るさに支えられる事のほうが多い。...

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山小屋

山小屋  山小屋にはそれぞれの匂いがある。それは鼻で嗅ぐものではなく気持ちで嗅ぐもの。小屋の扉を開けた途端に見知らぬ世界が広がってゆくようなそんな小屋に出会えた時は本当に嬉しい。 最近の小屋は設備が整いまるでログハウス風のホテルのようだ。そんな山小屋が登山者を日に日に弱くしている。だが同じ時期に同じ山へどっと押し寄せる登山者にも責任がある。都会の生活に次第に近づいてゆく山小...

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春の雪稜

春の雪稜  風と春冷たいだけであった身を刺すような風が、いつの間にか仄かな匂いを運んでくる。それは何処かで芽吹いた草木の微かな香りかも知れない。それは雪の融けた地表から立ち上る土の湯気かも知れない。様々な色が入り交じって、春がやってくる。春の中の春は歓びである。寒さの中の春は優しさである。吹雪の合間の陽差しの中で、わたしもかくありたいと思う。越後駒ヶ岳へ 春の雪稜にて残雪豊富な雪稜に、より確...

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山の花たち

山の花たち  風雨の稜線で横殴りの雨に打たれながら風に背を向けひたすら歩く。そんな足元に今にもちぎれそうに震えながら背丈数センチの小さな花が寄り添うように咲いていた。 花ほど受け身なものはない。どんな環境になっても許された所で出来る限りの力で咲いている。そんな姿に辛い登高の中で何度慰められたことか。 雑草のような強靱なしたたかさはないにしても、だからといって決して弱々しく...

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bunatoiwana69

Author:bunatoiwana69
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